チャレンジャー

某旅行代理店のツアーで『立山アルペンルート』へ行く。
八十日目(やっとかめ)に回って来たツアー仕事だよ〜ん。
いいねぇ、久しぶりに日帰り観光の気分を味わう・・・、しかもMM(運転手二人)だから楽チン。

今回の話は、回送中の出来事だ。

客は「立山⇒室堂⇒黒部⇒扇沢」とアルペンルートを通り抜けするので
立山駅で降ろしたら必死こいて扇沢へバスを回送しなければならない。
今は高速道路が整備され、長野オリンピックの恩恵で国道148号も広くて快適になった。
当時を知る相棒の運転手は「昔の148号は前から大型が来ると、すれ違いが出来なかった」と
色々な苦労話を聞かせてくれた。

トンネルで雪隠詰になった話や、ガイドに延々と先走りをさせて涼しい顔をしていた運転手の話など
当時の苦労が忍ばれる実に面白い話だった。
今でも所々に残る旧道を指して
「橋やトンネルの出口で道が直角に曲がってて、それこそ通るだけでも一苦労だ。」
「正に山の斜面に張り付いた道だった」と当時を振り返る。
だがオイラが「今でも通れるんですかねぇ?」聞いた為に事態が在らぬ方向へと向いてしまったのだ。

多分、通行は可能だから一度体験してみろと言うのだ、ちょっと待ってよ、やめてくれぇぇぇ。
旧道になって数年、幾ら前から対向車が来ないからって何でわざわざ行くのさ。
乗用車なら行って見たいけど、わざわざバスで行く事ないじゃん・・・
もし途中で崖崩れになってて通行不能だったら、バック出来ないんでしょ?どうするの?

結局、「あのバス大丈夫か?旧道を通行しとるぞ!」とか
「あそこのバス会社(当社)はバイパスを知らんのか?」とか
「何年前の地図を使っとるんだ?」とか、色々問題になるかも知れないと云う事で取り止めになった。
(相棒はあくまでも通行不能になるとは考えてない)

乗用車ならともかく全長12mのバスで試そうなんて・・・、正にチャレンジャーだ。
当時のバスに比べれば性能は格段の差だ、行ってみても悪くはなかったかも知れない。
但し、他のバスからは絶対に「あいつ何処を走っとるんだ!頭、大丈夫か?」
と言われる事は間違いないだろう。

【追記】
このデータを復元して正直、背筋が寒くなりました。
平成7年(1995年)7月11日に発生した豪雨水害により、国道148号の旧道は至る所で崩落や
新道への変更による通行止めで、特に葛葉峠が大規模な路盤崩落で通行不能の廃道と化しており
もし旧道にチャレンジしていたらとんでもない事になっていました。
葛温泉で公開中の旧道探索に行くのは、この数年後の事になります。